ジョイファミリー幼児園・公開子育てセミナー


講師


野口富久

(ジョイファミリー幼児園園長・松原聖書教会牧師)

佐々本康子

(ジョイファミリー幼児園元理事長)


子育てセミナー要約


(野口 園長)

子育てセミナーの目標は「3つの愛に生きること」と「子どもの自立」である。幼児園保護者対象のセミナーでは、子どもに教えたい3つの力「愛すること」「責任」「人の役に立つ喜び」や、しつけやコミュニケーションについて学んでいる。セミナーでは、子育て中のお母さんたちが悩みを正直に話し、共感する。さらに学んだことを実践することによって、親が変わり、子どもが変わることを体験している。

当園元理事長で、発達しょうがい児者教育のエキスパートである佐々本さんは「発達しょうがい児もほかの子も教育方法は変わらない。発達しょうがい児には、伝えるのに時間がかかるだけ」と言う。

 

(佐々本 元理事長)

発達しょうがい児の教育相談や、指導者へのアドバイザーをしているが、しょうがいがあってもなくても子育ては変わらない。子どもと丁寧に付き合うことが大切。

以前「愛すること」をテーマに教育講演会で話した。子どもを愛することは難しい。あるお母さんが、子どもに手がかかる、食事や着替えを自分でしないことに悩み、幼児園に入園してやっていけるのか心配していた。子どもを愛するがゆえの親心と、子どもの気持ちが一致しない。自分の思い通りに子どもが動かないことに不安といらだちがあるが、お母さんが時間に余裕をもつことが大切である。子どもは少し待てば動くようになる。そして、動きだしたらほめてやる。これが大切だ。「やればできるのに、何でやらないの?」と責めるのではなく、「できたね」とひとこと言ってやればよい。

 

①「甘えさせる」「できるのに手伝う」行為も重要。子どもの「できるけれど、ママに手伝ってほしい」という思いを大切にしてほしい。子どもは、できることが増えると、始めはほめてくれたのに、お母さんがそばにいてくれなくなり、「できてあたりまえ」とほめてくれないことに不安に感じる。子どもを十分甘えさせると、心がまんたんになり、安心して自立できる。愛されて育った子供は、自分を愛し、人を受け入れ、自信をもち、安心して前に進むことができる。自分でする喜びを覚えるまで待つことがとても大切。

 

②「共感する」は、子どもの心を読み取り、思いに寄り添うことである。思いを受け止めてもらった経験が、自立を促し、人の心がわかる子に育つ。わかってくれる人の存在によって、子どもは自信を持つようになる。

 

③「ルールと約束を教えること」。二人の母親が「子どもの好奇心を優先して、叱らない子育てをしている」という会話をしていた。ルールを教えずやりたい放題にさせるのは放任である。子どもが関心を持ったときに、自主性と同時にきちんとしたルールを教えるべきである。ルールを教えるのに、聖書教育とモンテッソーリ教育が適している。モンテッソーリ教育は、子どもの興味を充足させると同時にルールを教えている。ルールを守って楽しく遊ぶ満足感、安心感が子どもを育てる。

 

④「甘やかし」と「甘えさせる」は似て非なるもの。「甘やかし」の究極はわがままで、集団生活で問題行動を起こす。叱られ続けた子どもは自分に自信がなく、否定的なものの見方をする。甘えさせてよいが、ルールを教えない甘やかしはよくない。

 

(野口園長)

 子どもにルールを教えること、好ましい行動をタイミングよくほめることが大切。ほめることは肯定的なエネルギーを与え、子どもの生き方が変わる。今日学んだことを実践してほしい。