モンテッソーリ教育とは


1.日常生活の練習


 日常生活のあらゆる活動には、活動の正確さ、精密さ、順序性があることを伝えるために、一定の段取り(順序)が用具の使い方と同時に具体的に提示されている。

日常生活の活動は「環境への配慮」と「自己自身への配慮」という大きな2つのグループに分けられる。この他に、第3グループとして「社会への適応」、第4グループとして「運動の分析と調整」がある。

 子どもたちは自分を形作っていく力、大人になっていく力を最も豊かに持っている時期に、まねごとでない本物の子どもサイズの教具である「日常生活の活動」をとおして、毎日の生活の中で直面するいろいろなものの本質に触れていく。この活動は運動器官やその機能を発達させ、最終的に子どもの内で独立心を獲得し、自主性を伸ばし「自立」への道を歩む原動力となる。水の体験(水遊びから掃除料理に至るまで)、動植物の世話と観察、食事の準備とマナー、後片付け、対人関係の諸問題への関わり方、指先の器用性、全身運動の調整などの発達を促し、その後に続く分野の基礎ともなる。

【のりはり】

筆でのりを形切りされた折り紙にぬり、台紙に形を合わせて貼ります。

【ぬいさし】

穴をめうちであけ、針に糸を通し、縫っていきます。

2.感覚教育


 子どもの受ける感覚が合理的な方法で発達するように、感覚の刺激を組織的に導けることができる教育である。感覚の敏感期にある幼児は特に感覚器官をとおして世界を吸収し、知的発達の基礎を作っている時期であると捉え、モンテッソーリの感覚教具は全て手で扱われ幼児が発達の過程にある機能を確立させたり、完成させたりする役割を果たす。様々な概念を、実体験として、イメージとして心の中に蓄えておき子どもの精神的自我を育成する。特に概念を教具に置き換え、教具をとおして五感を刺激し、ばらばらに体験された内容を一つの概念に整理し体系づけられて、組織的に形成していく。教具は抽象化された具体物で感覚を五つ(視覚、触覚、聴覚、味覚、臭覚)に分け分類されている。

感覚教具は、三つの特徴的な構造を持ち、教具を分類したり(分類化)対応するものを見つけたり(同一性)漸次段階を付けたり(漸次性)して活動していくうちにその違いが明確になっていく。知的発達の基礎となる。

【幾何図形】

様々な形を放射線状に組み合わせていき、幾何学模様のデザインを作っていきます。

【幾何タンス】

幾何図形の視覚的違いの識別が目的です。


3.言語教育


 言語は民族固有の文化遺産であり、民族の意識を投影しているものである。「言語の基礎を作る時期」と呼ばれる幼児期の言語発達に注目し「言語を吸収する子ども」を援助するために「母国語を習得する」ために独自の言語訓練と教具を開発した。幼児は体験をとおして、その時々の状況を頭の中に刻むが、その時それらの状況を適切に表す言葉があり、経験と同時にその意味する言葉を理解した時、言葉で記憶されたことは頭の中で処理され次に思い出す時よりよくイメージ化される。それらを系統だったモンテッソーリ教具を使うことによって「話し言葉」をより完成させ、内容的にも質的にも言葉が豊かになるように指導する。

 さらに「話し言葉」から「書き言葉」の世界に導入し、言語による表現力を拡げる。文字に興味を覚える敏感期にある幼児期に子どもの内面から湧き出る「知りたい」「やりたい」要求を大切にしたモンテッソーリ教育の一環として「言語」を位置づけている。

【絵合わせカード】

同じ絵カードを合わせていきます。絵の下には、名称が書いてあり、文字が読めなくても、絵を見て読んでいきます。

【あて名書き】

お手紙を文字のコマを使って書いていきます。封筒にあて名を書くことも学びます。

4.数教育


 モンテッソーリの数教育は、子どもが生活体験をとおして漠然と親しんでいる数量に対して、または無秩序に取り入れている数量に対して体系的に学んでいくことができるようになっている。必ず具体物が用意され、自分の手を使って感覚の刺激を受けながら、数に親しみ確かめながら論理的に認識できるようになっている。いつも最初に物の多さを表す量から入り(この量の経験が将来の数の土台となっている)次にそのシンボルを紹介し最終的には量と数詞と数字を対応させ、三つの関係を明確にしていく。感覚で体験した印象を秩序立て、抽象する能力を育成する。数量意識の経験を段階をおって積み重ね数概念獲得へ導く。

【数の棒と数字カードの一致】

1~10までの数字の順序と量の一致を学びます。

【時計】

長い針と短い針の読み方を知っていきます。


5.文化教育


 幼児の知的好奇心を刺激し、想像力を発達させ、理性と人間の良心を調和的に統合する普遍的なカリキュラムである。天文学、地理学、地質学、生物学、物理学、歴史、科学などは全体の一部分に過ぎず、個々の領域が世界やコスモスの知識と多くの点で関連していることを認識し、宇宙全体が相互に援助しあっていることを感じ、触発することができるように導く。

 私たちが生活の中で受けるあらゆる特典に対する「感謝と愛」の気持ちを培い、偉大な秩序と調和への憧れの芽生えを養い、幼児の心に生命を与え、宇宙の全てを愛することが出来る人間になれるよう意識化していく。

【アフリカ(左)と北アメリカ(右)のはめこみ地図】

国名を覚えていきます。図鑑を開いて、どの地域にどんな動物が住んでいるかなども調べています。


モンテッソーリ教育の教具紹介

立方体と直方体を積み、感覚的に学べる教具

立方体と直方体を積み、三乗の公式を感覚的に学べる教具です。〖感覚〗

高さ、直径などの順番を並べ、特徴を識別する教具

高さ、直径などの順番に並べ、4種類の特徴を識別することができます。〖感覚〗

裁縫道具を使って、指先の正確な動きと洗練

裁縫道具を使って、指先の正確な動きと洗練。

〖日常〗

手の動きをしなやかにし、集中力や芸術感覚を養う

手の動きをしなやかにする他、集中力や芸術的感覚、忍耐力なども養います。

〖言語〗


加減乗除に十分触れた後、加減乗除をします。

加減乗除に十分触れた後に、この教具を使って加減乗除をします。〖数〗

全世界の地域の国ごとのパズル

全世界の地域の国毎のパズルです。〖文化〗

全世界の国旗を覚え、当てはめていくパズル

全世界の国の国旗を覚え、当てはめていくパズルです。

〖文化〗

10の構成すべての組み合わせを親しみます。

10の構成すべての組み合わせを親しみます。〖数〗


〖言語〗

〖日常〗

ジョイファミリー幼児園では、これ以外にもたくさんのモンテッソーリ教具を用意しております。この教具は、お子様が自分で選んだ教具で遊ぶことにより、発達段階の成長を援助し、「自立し、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学びつづける姿勢を持った人間に育てる」ことを目的としています。